お互いが無理して合わせていた結婚生活

離婚の原因として、ひと言で性格の不一致といっても、さまざまなケースがあると思いますが、私の場合は何だったのか、正直言ってよくわかりません。でも、心の中に「この人とは性格や価値観がまったく合わない」というわだかまりを抱きながら、時間を重ねていくのはあまりにも苦痛で、このままの状態を一生続けていくことはとても想像できないと思いました。子供もいなかったので、とりあえず、今の生活をリセットしてみたかったというのが正直な気持ちです。

趣味や食事、好きなことが一致しない

ひとつ屋根の下で暮らしていて、やることなすこと、お互いが納得できませんでした。具体的に何が気に入らなかったのかといえば、テレビ番組をみていて、私が面白いと思っても、妻には全く面白くない。反対に、妻が喜んでみている番組が、私には、とてもくだらないものに思えてしまいます。

食事もそうです。好きな料理の好みが全く合いません。夫婦それぞれが仕事を持っていて、子供もいなかったので、外食することが多かったのですが、夫婦そろっての食事は、いつもどの店に入るかで喧嘩になります。そのうちに、別々に食べるようになりました。

なぜ、こんなにも趣味や嗜好が違うのに、結婚したのだろう。自分ながら不思議で仕方がありません。考え方の相違は、結婚する前からだったのか、結婚してからだったのか、それもわかりません。振り返ってみると、最初から全く違うのに、お互いが無理して合わせていたのかなと思います。

離婚の相談は恥ずかしい。誰にも言えない

世間では、こんなに離婚する夫婦が増えていているのに、誰かに相談することはしませんでした。離婚のことを話すのが恥ずかしかったからです。具体的に、何を話せばいいのかも思い浮かびませんでした。時間だけが流れていき、毎日がただ流されるだけの生活になっていました。

思い切って、仲の良い友人に、冗談交じりで離婚の話を切り出してみたこともあります。しかし、すぐに笑ってごまかしてしまうのです。一人で考えるしかありませんでした。ときどき、相手に対して何かを求め過ぎていたのではないかと反省することもあります。

多分ですが、ほんのちょっと気に入らないことがあると、相手の状況や気持ちを考えず、周囲が見えなくなり、不満をぶつけてしまっていたのかもしれません。相手に言い返されたりすると、顔を見るのも嫌になりました。

離婚をするには、どう考えているのかを膝を突き詰めて話し合わなければなりません。毎日が忙しく、離婚となると面倒な手続きがあり、周囲にもいろいろ聞かれてしまいます。夫婦間の問題に目をふさいで、惰性で過ごすほうが楽だとも思いました。

離婚を切り出すと、案外あっさりと

相手も苦痛な時間を終わらせたかったのでしょう。結局は、話し合いの場を設けることになりました。最初は、お互いが自分の考えや行動を見直して、やり直していこうという建設的な話し合いのつもりでした。

しかし、二人とも離婚の二文字を強く意識していて、今の状況を終わりにしたいという別れの場へと変貌していきました。いざ、離婚が決まると、実にあっけないものでした。二人とも、紙切れに名前を書き込み、それで終わりです。

今思うと、最後の最後ぐらいは、もっと上手く自分の気持ちを伝えるべきでした。離婚が成立してから、元妻に電話をかけて、「最後にひと言だけ言いたい」ともう一度会うことをお願いしました。しかし、元妻にとっては、どんな言い訳を聞いても意味がないと思ったらしく、むげなく断られてしまいました。

一方、私はというと、情けない話ですが、本当に離婚の決断が正しかったのか、自分がわがままだっただけではないのか、未練がましくあれこれと考えてしまいます。かといって、やり直しができるわけでもないのに。

さっそうと、次の人生を歩き出した元妻を思い浮かべながら、自分も多少の未練は引き出しの中にしまい込み、歩き出さなければと思っています。

40代男性 性格や価値観がまったく合わないという苦しみから、離婚に踏み切った体験談でした。