突然の離婚請求。離婚危機を回避する方法とは

いつもの平穏な暮らしを続けていると思っていたのに、配偶者から突然、離婚を請求されてしまうことがあります。焦る気持ちと不安感からパニックになってしまい、逆ギレしてしまったり、相手の気持ちを逆なでするような態度を取ると、離婚危機は一段と加速します。

修復不可能、離婚へと突き進むパターン

突然、配偶者から離婚を請求されたときのリアクションは、最初は驚きであり、次に怒りや悲しみが訪れてくることが想定されます。何の心の準備もなく、「離婚してほしい」と言われると、そうなってしまうのも無理はありません。

突然の離婚請求をされると、次に思い浮かぶのが、その後自分の降りかかる人生への悪影響です。専業主婦などで十分な稼ぎがある仕事を持っていない場合は、経済的な不安が襲ってきます。

また、親兄弟や親せき、友人、近隣、職場など周囲の人たちにどう説明したらいいのか、かっこ悪い、恥ずかしいなどの「世間体の悪さ」が気になってきます。結婚生活を前提にした自分のステータスが一気に崩れ落ちるイメージが頭の中を駆け巡ったとき、どういう反応を取るかは人それぞれの性格によって違うでしょう。

しかし、離婚への動きを加速するパターンは、離婚を請求した相手に対し、攻撃に転じることです。こうなると、「逃げたい」と考えている相手が、「戻ってもいいか」という考えに変わる修復への道を完全に閉ざすことになってしまいます。

「なぜ離婚したいのか」原因が分かれば対処は可能

離婚回避

思いもよらなかった離婚請求の事態に、焦りと不安でパニックに陥るのは仕方がないことです。しかし、ここで一番大切なのは、冷静さを取り戻し、どうして離婚を請求されるような事態になったのか、という原因を突き止めることです。

原因として想定されるのは、大きく分けて3つのケースです。

  1. 離婚を請求された原因が自分自身にあるケース
  2. 離婚したい理由が相手にあるケース
  3. その両方のケース
まず、離婚を請求された側に原因があるケースです。自分自身に原因があるというのは、何も自分自身に非があるということに限りません。この場合、どちらが悪いかはあまり問題ではなく、相手がどう感じているかのほうが重要なのです。

例えば、離婚を請求されたのが専業主婦だったとします。もし、彼女が「家事をしない」「夫が仕事に行くときに寝ている」といった生活だとすると、夫側が不満に感じているのはこうした妻の行動にあるという可能性が考えられます。

夫は普段から、こうした行動に対し、苦言を呈したり、嫌味を言ったりしていたら、ここに原因がある可能性は強いと考えられます。そうした場合、まず、夫婦で話し合いをして、夫が離婚を請求した理由だとわかれば、そうした行為を改めることで、離婚の危機を修復できる可能性が出てくるわけです。

離婚したい理由が、切り出した側の不貞行為だったら

二つ目のケースは、離婚したい理由が相手側にあるケースです。先ほどと同じ例でいうと、夫側が付き合っている女性がいるような場合です。不倫相手から、妻と離婚し、自分と結婚してほしいと強く求められている場合などは、結婚生活を解消したい理由になるでしょう。

こうした場合は、法的に考えると、夫側から離婚を請求することは難しいと言えるでしょう。だから、落ち着いて対処することで、事態を好転させるチャンスは大きいと考えることができます。

裁判までもつれ込んだとしても、離婚が認められるためには、法律上の離婚原因が必要になります。不倫や浮気などの「不貞行為」、相手を困らせるために生活費を渡さないなどの「悪意の遺棄」、ドメスティックバイオレンス(DV)やモラールハラスメント(モラハラ)など「婚姻を継続しがたい重大な事由」が主な理由で、そのほか、「3年以上の生死不明」「回復しがたい精神病」があります。

この事例では、離婚をしたいと思っている夫側が不倫という「不貞行為」をしています。したがって、「不貞行為」を理由に離婚したいと申し出ることができるのは、妻側です。夫側は「不貞行為」を理由にした離婚請求はできません。

もし、相手側の離婚したい理由が「不貞行為」であるという場合は、まず、請求された側が離婚をしたいのか、離婚をしたくないのかを決めることが重要です。そして、離婚したくないのなら、夫婦で話し合いをして、不倫関係の解消と夫婦関係の修復に取り組むことを目指すべきでしょう。

妻の行動が許せないから、不貞行為に走ったケース

家事をしない妻

離婚を請求された原因が自分自身にあるケースと、離婚したい理由が相手にあるケースについて説明しましたが、最後の「その両方」のケースはどうでしょうか。先ほどの例で言いますと、「家事をしない」「夫が仕事に出かけるときに寝ている」などで妻のことが嫌になり、他の女性のことが好きになってしまったような場合です。

この場合は、夫婦関係を修復するには2ステップが必要になります。妻側が「家事をしない」「夫が仕事に出かけるときに寝ている」といった行為を改めたうえで、夫側に不倫関係を解消するように促すことです。

離婚を請求された原因が自分自身にあるケースと、離婚したい理由が相手にあるケースに比べると、夫婦関係を修復するハードルは高いかもしれません。夫側が、自分が不倫に走った理由が妻の行為にあると考えているなら、罪悪感をそれほど持っていない可能性があるからです。

具体的には、夫婦の話し合いの中で、自分も「家事をしない」などの行為を改めるので、不倫を解消してほしいと頼むようなことになります。その際に、罪悪感が薄い夫側から高圧的な態度を取られると、腹を立ててしまい、攻撃へと態度を一転し、離婚へと突き進むパターンになってしまいがちだからです。

どちらの行為がより悪質か、どちらが夫婦関係を壊した責任が重いか、という勝ち負けを決める裁判のような話し合いになると、負けてしまったほうは一緒に生活できなくなってしまいます。

感情的な争いを避けるには、第三者を交えて

離婚を請求された原因が自分自身にあるケース、もうひとつは、離婚したい理由が相手にあるケース、最後はその両方のケースのすべてにおいて、原因を突き止めた後には夫婦間の話し合いが重要になります。

どのパターンにおいても、最も重要なのは、冷静さを保つことです。離婚を請求した側は、覚悟を決めて通告しているので、すでに感情が高ぶっている可能性があります。頭に血が上った相手に対し、こちら側も感情的になってしまっては、ブレーキを失ったクルマのように離婚への道を猛スピードでひた走ります。

難しい交渉ではありますが、相手の「不貞行為」に関しても、相手の気持ちに対する理解を示す姿勢を持てるぐらいの心の余裕が求められます。さらに、自分の行為が相手を怒らせていることがわかれば、素直に非を認めることも必要になってくるでしょう。

しかし、実際は、こうした話し合いができる人はそうはいません。相手の言葉に腹が立ってしまい、感情が高ぶってしまうのは無理もありません。

こうしたケースで頼りになるのは、「中立な立場」で話し合いを見守る夫婦問題のカウンセラーなどの第三者です。夫婦関係を修復することを目指し、夫側、妻側のそれぞれの立場に理解を示し、相手側にわかりやすいように気持ちを説明してくれるでしょう。

まとめ

突然の離婚請求をされたときには、まず冷静になり、どこに理由があるのかを見極めることが大事です。ただ、たいていの場合は離婚を請求された側は「うまくいっていると思っていた」とびっくりする人がほとんどです。

自分はたいしたことがないと思っていた行動が、相手を傷つけていることも珍しくありません。自分に思い当たる節がない場合でも、夫婦問題カウンセラーなどに普段の生活について話を聞いてもらうと、問題点に気付くヒントがもらえるかもしれません。

相手が不貞行為をしていることが、離婚したい動機になっている場合は、そうした事実を突き止めるために、配偶者の不審な行動を調べてみたり、探偵事務所や興信所に依頼するのも手です。