ゲーム依存症の夫を救えるか、それとも離婚か

やめたくとも、やめられない、ほどほどにできない状態を「依存症」と呼びます。依存症の診断には医師などの専門的な知識が必要です。

依存症は放っておけば、本人や家族の健全な社会生活に影響が生じる可能性もあります。代表的なものに、アルコール、薬物、ギャンブル、買い物依存などがありますが、最近は夫や妻のゲームへの依存に悩む人が増えています。

ゲーム依存は子供だけじゃない

うちの子はゲームばかりしています!どうしたらいいんでしょう!お母さんが子供に対する悩みによくあるものですが、子供だけではなく大人にもゲーム依存が見られます。

趣味や娯楽の範囲で楽しむのなら問題はないけれど、ゴルフや釣り、映画や音楽とは違い、寝ても覚めても・・と、なりやすいのがゲームのようです。

子供のいない夫婦が、揃ってゲームにハマり、2人で楽しむのならいいけれど、例えば、夫がゲーム依存になり、仕事から帰ると自分の部屋に直行して出てこない。となったら、夫婦でいる意味は何なのかと考えてしまいますね。

妻がゲーム依存になり、子供をほったらかしにしても困りますし、どんどん課金をして家計を圧迫するようでも困ります。ゲームはいつでもすぐ手の届く所にあるがゆえに、依存に陥りやすいのかもしれません。

ゲーム依存症の驚くべき行動

友人からびっくりする話を聞きました。その日は休日で、夫婦2人でリビングにいたのですが、奥さんはテレビ、夫はゲームをしていました。そこに地震で強い揺れが来て、夫は机の下に潜りながら、ゲームを続けていたんです!

普段から、うちの夫はゲームばかりしている。と、不満を漏らしていたそうですが、ここまでひどいとは気づかず、依存症では?と思い始めたそうです。

電車の中でゲームをやっている人って結構いるよね

昔は子供のおもちゃだったものが、今は大人もハマるみたいだね

駅につけばやめれる人はまだマシかな

地震で揺れてるのにやり続けるって、やっぱり異常かなと思う。依存症じゃないかな

ギャンブル依存の違いは?

ゲームはギャンブルと比べて、本人や周囲への悪影響がじわじわとやってくる点だね。

ほどほどにゲームを楽しんでいる分には、何の問題もないけど、ほどほどでは収まらなくなり、過度に熱中し、やめられなくなると悪影響を及ぼすわ。

ギャンブルだと、エスカレートして大金をつぎ込んで負けたり、少しずつでも負け続けると、生活への影響がひどくなるから、周囲も気づきやすい。それに比べて、ゲームは生活に困るほどになるまでには時間がかかる。それゆえに、深刻さに気付くのが遅れやすいと言えるね。

そういえば、奥さんが注意しても、旦那は「趣味の範囲内でゲームを楽しんでいるだけ」と全く危機感が無いようなケースもよく聞くわね。

心と体の健康をむしばむゲーム依存

ゲーム依存

ギャンブル依存は、家計を瞬く間に崩壊させます。お金がない状態になっても、ギャンブルをやりたい欲望に勝てず、返済できないほどの多額の債務をつくってしまう可能性があります。これに対し、ゲーム依存症はいきなり大きな債務を抱える可能性は少ないと思われます。

無料でも十分楽しめるゲームもあるので、課金しなければいいという気持ちでやっていると、徹夜でヘトヘトになるまでやってしまったりということもあります。はたから見たら体も心配ですし、「そんなことをする暇があるなら」と思ってしまうこともしばしば。

依存症になった本人が、ゲームがしたい気持ちを抑えられず、仕事がおろそかになって職を失ったり、健康を害するなど、次第に家計への影響が深刻になっていきます。

ギャンブル依存に比べると派手さはないけど、ゲーム依存も放っておくと家計崩壊につながるというわけね。

専門家が言うには、依存症になると、 脳が快楽などの報酬を求めて、歯止めがきかない状態になるらしい。そうなると、自分で正しい選択をすることができなくなり、生活の中でやらなければならないことを後回しにしてでも、やりたいこと(ゲーム)を優先してしまうようになるんだって。

睡眠や食事の時間を犠牲にしてまで、ゲームに熱中してしまう人の話はよく聞くわ。家族との時間を削るようになって、ケンカが増えたり、睡眠不足や栄養不足で健康を害する可能性もありそうね。

家族とのケンカが増えたり、睡眠不足になると、イライラしてしまって、そのストレスを発散するために、またゲームをしてしまうという悪循環にはまってしまうのが怖いね。

本人、家族双方が依存症を理解することで克服も

依存症は、適切な治療を受けないと、症状が進む進行性も特徴です。依存の症状が進行してしまうと、本人は自らの力でやめることが難しくなってきます。そうなると、家族が注意しても、ウソをついたり、隠れてゲームをするなど家族や周囲との人間関係を悪化させてしまいます。

旦那に注意しても、逆ギレされるか、やってないとウソをつかれる奥さんの話もよく聞くわね。

症状が進んでしまうと、自分の力ではなかなか脱することが難しくなる。病気として適切な治療をして解決するケースはあるようだよ。

相談に行くまでのハードルが高いわね。

そうなんだ。本人は病気という自覚がなかったり、認めたくない場合が多いから、自ら相談に行くのは少数かもしれないね。逆に、自ら相談に行く気持ちと自覚があるならば、解決できる可能性も高いと思う。

家族も依存症のことをよく知らないと、正しい知識がないままに、恥ずかしいから隠したり、専門家に相談することもせず、ひどい状態になってしまうケースもありそうね。

依存症は本人の意思でやめることが難しい。だから、家族が依存症についての正しい知識を身に付けて、カウンセリングなどの相談機関や医師に相談するように仕向けることが大事だね。

依存症の人は、自分はゲームばかりしている、時間が勿体無いからほどほどにしたいのに、ついやってしまう・・という程度の気持ちはあっても、まず自分が依存症に陥っていることすら理解していないことが多いようです。

もしも夫や妻を依存症から救い、夫婦生活を続けて行きたいと思うなら、ゲームばかりして!と怒るのではなく、心配しているという気持ちを伝えつつ、一緒に解決しようという意思を伝えましょう。

本人が自覚して治療を始めることができれば、解決の方向に向かい、あの時は大変だったね。と話せる日がくるかもしれませんから。

もう無理。ゲーム依存で離婚を判断する基準は

離婚届

夫の依存症が深刻で、もうこれ以上救うことができない状態になると、離婚の選択肢を検討するしかありません。それを見極める方法は難しいですが、「本人に治そうという気持ちがあるかどうか」は一つの目安となるかもしれません。

ゲーム依存症を理由に離婚を決断することに対して、抵抗感を抱く奥さんも少なくないかも。どこで見切りをつけるのかは難しいわ。

そうだね。家計が破綻するほどでもない場合はとくにそうかもね。ギャンブル依存の場合は、とことんまで身を破滅させる人が多いから、離婚しか選択肢がなくなるケースも多いからね。

でも、家族との時間をないがしろにして、ゲームばかりする夫と、これ以上生活するのが嫌なら、離婚の選択もあるわね。

そうだね。夫に対し、「こういう生活は嫌だ」と話しても、本人が意に介さない場合は、治す気持ちがないと判断できるね。「何とか治したい」と思っている人に対しては、救いの手を差し伸べることはできるけど、そうでない人には、何を言っても効果はないかもね。

夫婦で一緒に依存症を克服しようと思えるかどうかね。旦那から「治したいから助けてほしい」と言われたら、一緒にカウンセリングでも何でもできるけど、逆ギレされるようじゃ難しいかも。

最近では1日20時間をゲームに費やす、ネトゲ廃人と呼ばれるような人たちもいます。このような人たちはどのように生活を成り立たせているんでしょうか?仕事や育児どころか、自分の身の回りのこともできない状態ですよね・・・。

もう、こうなったら、私だったら無理・・と思ってしまいます。

まとめ

ストレスの多い社会では、それを発散させるものは心の健康には必要ですし、大人をも魅了する楽しいアプリやゲームが簡単に手に入り、それをやっている間はとても楽しい。そんな気持ちも理解できます。

ですが、ゲーム依存は、知らないうちに少しずつ健康な体と、幸せな家庭をむしばんでいく恐れがあります。依存状態とそうでない状態を見極めるのが難しいゆえに、治療が遅れてしまうことも少なくありません。

本人は軽い遊びのつもりでやっていると思っている場合も多く、自分はゲームに依存していることすらわかっていないこともあります。周囲が気付いて、依存症の正しい知識と、改善させるための方法を身に付けることが大事です。

また、依存症になる前に、夫婦で健全にできる楽しみを作ることも必要ですね。ストレス発散でやっているのならば、ストレスの根源自体を減らすような生活を見直すことも必要かもしれません。