妻から突然、離婚を切り出されましたが、いったいなぜなのか理由がまったくわかりません。妻から突き付けられた離婚届を見つめながら、頭が真っ白になり、どうしていいかわからなくなってしまう男性は、冷静になってこれまでの夫婦関係を思い起こしてみる必要があります。
妻が夫に送ってきた別れをにおわす数々の「サイン」を見逃してきたのかもしれません。
食卓が別になる
食事は好きな相手と楽しく食べたいものです。これまでは、いつも一緒に食卓を囲んでいた家族の団らんが少なくなり、別々に食事をするようになったら、危険信号です。夫が帰ってくる前に食事を済ませていたり、家族で外食に行く機会がめっきり減っていたのなら、妻が心の中に何らかの「不満」を抱えていたのかもしれません。
最初は、「夫の仕事が忙しく、深夜勤務の帰りを待つとお腹がすくから」という理由だったり、子どもの学習塾や行事のために夕食を早めに済ませる必要があったから」という理由だったのかもしれません。
そういったことが積み重なり、当たり前になってしまうと、食事の時間を合わせるのがたいへんになることもあります。しかし、妻が夫と一緒の食事の時間を苦痛に感じ、わざと食事の時間をずらしたりしていた可能性があります。その時は、重大な危険信号だと言わざるを得ません。
- 食事中に妻の話しを聞かない
- ごちそうさまや、いただきますなどの感謝の言葉がなかった
- 味付けや献立にケチをつけられるのが苦痛
栄養のバランスや家族の好み、同じものが続かないようになどさまざまな配慮のもとにメニューを考え、食材を買いに出かけます。そして、食材を食べやすいように、見栄えのいいようにカットし、味付けします。
週末に単独行動が多くなる
週末は家族で過ごす時間を大切にしていた妻が、自分の時間を持つようになり、何かにつけて外出するようになった場合、家にいることを苦痛に感じているかもしれません。
子どもが小さければ、子どものために仮面夫婦を装う妻も、子どもが学校の行事や友達との約束、部活動などで忙しくなると夫婦2人になる時間が増えます。そうなると、単独行動のネタを見つけなければ、2人だけの苦痛の時間を耐える羽目になってしまうのです。
子どもを介さないと会話ができないような関係になっていた場合、夫婦2人の時間は妻にとって苦痛以外の何物でもありません。今までは夫に家族サービスを求めていた妻が、ピタリと何も言わなくなり、夫が会社の付き合いの予定があると聞くと、逆に嬉しそうに送り出されたりした場合も、危険信号と言えます。
- 買い物など、夫婦の習慣だったものを1人で行くようになった
- PTA活動や自治会の役員などをやたらと引き受けるようになった
- 急に習い事やサークル活動を始めた
夫の帰りが遅くても文句を言わなくなる
新婚時代、夫婦2人の時間を楽しみにしていた妻が、夫の帰りが遅い時、仕事なら仕方ないと感じていても、友人との飲み会など遊びだった場合は、「楽しみにしていたのに」とか「がっかり」とか「自分ばっかり」などといった文句も出るでしょう。
また、子どもが小さく、子育てで大変な時は、夫のサポートを期待していた妻は、子どもが熱を出しているにもかかわらず、夫が仕事を理由に遅く帰ったりすると、帰宅後の夫に不安と不満をぶつけたりします。
ところが、いつの間にかそんな文句や不平不満がまったく妻の口から出なくなります。「妻も、やっと自分のことを理解してくれたのだ」と思っていたとしたら、とんでもない勘違いかもしれません。
それは「物分かりの良い妻」「良妻」と考えるよりも、妻の心の中で、「いざと言うとき、頼りにならない夫」というレッテルを張られ、夫をあてにしたり、期待することをやめている可能性のほうが高いでしょう。
プレゼントをしても喜ばなくなった
誕生日や結婚記念日、クリスマスなどのイベントでプレゼントをする習慣があった場合、以前は喜んでくれていた妻の反応が薄くなったと感じたら、心の中で何かの変化を感じていて、それが無意識に現れているのかもしれません。
男性は日頃の感謝の気持ちを、年に数回のプレゼントで表す人が多いのですが、そんなことよりも、毎日のふとした心遣いや思いやりの積み重ねに、女性は喜びを感じます。
会話がほとんどなくなった
子どもが「通訳」になっているような夫婦は、ほとんど会話がない夫婦と同じです。「おはよう」や「おかえりなさい」、「いってらっしゃい」などのあいさつ程度の状態から、必要最低限の事務的な会話だけになり、最終的にはあいさつを交わすこともなくなります。こうなったら、もはや「家庭内別居」の状態と言っていいでしょう。
ただ淡々とした毎日が過ぎていくだけの生活に我慢ができなくなった妻は、離婚をしたいという思いを募らせ始めるかもしれません。お互いが同じ場所にいることすら、苦痛に感じるようになると、どちらかが部屋に閉じこもったりして、事態は悪化の一途を辿り、いよいよ名実ともに「家庭内別居」へと突入します。
仕事を始めたり、資格を取ろうとしたりする
こうなると、もう妻は離婚の準備段階に入っています。家に資格を取るための資料が届いたり、就職や転職活動を始めている様子が見えていたら、妻の離婚への決意は固いかもしれません。残業が多くなったり、休日出勤を引き受けることが増えたりすることもあるでしょう。
このように経済的な自立を目指した行動も、夫がいなくなった後の家族を守る行動なのかもしれません。
妻から突然離婚を切り出された!でも冷静に
離婚を切り出されたことが、あまりにも突然で予想もしていなかったことだとしたら、妻のサインを見逃していた可能性は大きいでしょう。夫がパニックになってしまうと、事態はますます悪化します。
大事なことは、冷静さを早く取り戻すことです。離婚に同意するかしないかもさることながら、財産分与、子どもの親権や面会交渉権などについても、落ち着いて話し合うことです。
女性は離婚を決意するまでには、黄色信号を何度も出しているはずですが、それが伝わっていないなら、いくら夫が離婚を拒否しようと、やり直すことは極めて難しいと考えられます。
しかし、夫側にとっても、理由がわからないまま離婚に同意し、協議に入ったとしても、今後のお互いの人生を前向きに歩めるような建設的な話し合いになりません。冷静になって、これまでの夫婦関係の問題点を考え、妻が離婚に踏み切った理由を理解する努力は必要です。
まとめ
夫側に浮気などの行為があった場合、妻から突然離婚を切り出されたとしても、仕方ないことですが、特に理由が思い当たらない場合、このような妻の言動に、別れを切り出すような前兆がなかったかを考えましょう。
家庭内別居に陥ると、夫婦は会話を失い子供が伝達役になることも起こりますが、夫婦の冷え切った関係が目の当たりにされ、子どもには大きなストレスがかかります。お互いの悪口を聞かされ続けた子どもは、不登校になったり、弱いものいじめをしたりといった問題行動が出る恐れもあります。
結婚生活を送る上で、子育てや家事、仕事の両立などでストレスを抱えた妻は、常にイライラします。不満を言葉や態度で示しますが、離婚を決意した女性は、ピタッと怒らなくなります。夫婦喧嘩が減ったからといって、決して、円満であるわけではないのです。
妻の気持ちを理解し、謝罪の気持ちや改善する気持ちがあれば、修復する可能性があるかもしれませんが、そうでなければ離婚にまで発展するかもしれません。その場合も離婚の協議をする上で、前兆がなかったかを考えることにより、お互いに歩み寄った協議をすることができるでしょう。