高級ブランド品に身を包み、友人と海外旅行に出かける。日常生活でも、豪華なランチを楽しむような贅沢な生活を続けてきた女性は、結婚したからと言って、急に慎ましい生活に満足する良妻になるとは限りません。
自分の稼ぎで家計を守らなければならない場合、妻にこのような贅沢三昧の生活をされると、たちまち家計は火の車に陥ってしまいます。金銭感覚の違いを見抜けなかった自分を悔やんでも後の祭りです。離婚をするしかないと決断したとき、または金の切れ目で浪費妻から離婚を突き付けられたとき、どのように対応すればよいのでしょうか。
ストレスからくる依存症ではないか
妻の浪費を知ったとき、まずはその原因を知ることは重要です。「買い物依存症」という言葉があるように、パチンコや競馬などのギャンブルやお酒やタバコと同じように、浪費には依存性が高いという一面があります。
何らかのストレスを抱えている妻が、買い物をすることにより、ストレスを発散させたり、安心感を得ようとしている場合は、買い物依存症の可能性があります。
このような場合、妻は高価なブランド品を買い集めて、後に自己嫌悪に陥ったり、せっかく買ったものを使わなかったりするのです。メンタルに何らかの問題が生じて、買い物依存症に苦しんでいるのなら、夫婦でカウンセリングを受けるなどして、妻が依存症に陥った原因を探ることも選択肢です。
浪費癖の酷い妻にお財布は任せない
ところが、特に妻がストレスを抱えるような原因に思い当たる節が全くなく、どうみても、自己中心的に無駄遣いを繰り返し、家計を著しく悪化させていると思わざるを得ないような場合は、妻がもともと、浪費癖があるのだと判断するしかありません。
そもそもそ2人で築いた財産を、自分の物的欲求や見栄を満足させるために、身勝手に使ってしまう妻に、家計を任せてしまうのは極めて危険な判断であると言えるでしょう。
何をどのように使っているかを、明確にできていない場合、夫の知らない場所でとんでもない使い方をしていたり、無駄遣いをする財源がなくなると、高い金利で借金を繰り返してしまう可能性もあるからです。
これは、妻に悪意がなく、買い物依存症などのメンタル的な問題を抱えている場合も同じです。お金を管理できない人に、財布を渡してしまうと、気が付いたときには、取り返しのつかないことになってしまいます。
夫の収入を全て渡し、家計を任せても大丈夫なのは、しっかりと計画性を持って管理できる妻です。しっかり妻は、仮に自分のご褒美に買い物をしたりしたとしても、その分を埋め合わせとして次の月に節約をしたり、上手に帳尻を合わせることができるからです。
反対に浪費癖の酷い妻は、計画性もなく我慢することもできないので、収支のバランスなど考えることもせず使ってしまいます。しかもそれは自分のためのものであった場合、倹約家の夫からしたら、夫婦でいる意味さえわからなくなるでしょう。
夫の結婚前の貯蓄などは、特有財産の証拠を
倹約の夫は独身時代から貯金をしていることが多いでしょう。結婚をした後も、独身時代の銀行口座で家計の管理をしていて、浪費癖のある妻に任せていたとしたら、特有財産も使い込まれている可能性があります。銀行口座の取引については自分で把握しなくてはなりません。
なぜ、口座の確認が必要かと言うと、夫が結婚前に築いた預貯金は、夫の「特有財産」と認定されるからです。特有財産は、もし、離婚となった場合でも財産分与の対象にはなりません。古い通帳などを用意して、結婚前の貯金であることを証明できるようにしておきましょう。
また、親からもらったお金や土地などの財産も、「特有財産」であり、財産分与の対象となる共有財産(夫婦の財産)には当たりません。特有財産が現金の場合、家計とは別口座にして保管するなどの対策が必要です。
婚姻費用の2重払いに注意
クレジットカードの取引履歴を把握していない夫も危険です。毎月送られてくるカード会社からのハガキには、取引履歴が記載されています。
また、クレジットカードは、ウェブで履歴を確認できるものがほとんどです。カードの明細は必ず確認するようにしましょう。支払いが夫名義の銀行口座から引き落とされるような仕組みの家族カードの場合、浪費妻にフリーハンドで使わせることは極めて危険です。
妻の浪費が止まらず、もはや自己破産が目前に迫っているような状況では、早く家計の再建に乗り出さなければなりません。この場合、浪費妻と家計を分けるようにすることが有効になります。
離婚すれば、法的に妻の浪費の影響は解消できます。しかし、離婚に至るまでは、家計に対する責任を負わなければならない夫は多いでしょう。
浪費妻との別居に踏み切るのも手です。その場合、夫婦の収入に応じた婚姻費用が発生します。妻が専業主婦であったり、共働きであっても夫の収入の方が多い場合は、妻に対する婚姻費用もそれなりの額を支払わなければいけません。
婚姻費用支払いの目安
夫=サラリーマン年収600万円、妻=専業主婦の場合
子供なし | 子供1人(14才以下) |
---|---|
婚姻費用8万円〜10万円 | 婚姻費用10万円〜12万円 |
この夫婦が別居をした場合、子供の人数や年齢によっても変わりますが、子供がいない場合、夫は妻に婚姻費用としておよそ毎月8万円〜10万円を目安にして支払い義務が発生します。14才以下の子供が1人いた場合、毎月およそ10万円〜12万円が目安です。
婚姻費用の負担は確かに大変ですが、浪費癖のある妻が家族カードを無制限に使っていることに気づかずに、カードローンなどの借金が多額になっている場合は、婚姻費用の額をはるかに超える支払い義務が生じます。なるべく早く、夫の名義の口座を使わせないようにしなければなりません。
倹約家の夫と浪費家の妻。貯蓄額をシミュレーション
妻に家計を任せて、こずかい制で暮らしていた夫。家族で外食をするわけでもなく、家族旅行も堅実に。さぞかし貯金が貯まっているのだろうと思っていたら、貯金どころか借金があったとしたら大変な事態です。
通常、離婚をする際は、結婚してから築き上げた財産(共有財産)を半分に分けるために、財産分与の話し合いをしますが、このように自分勝手に浪費していた妻に対し半分を渡さなくてはいけないのは納得できないと感じるかもしれません。

妻名義の借金が発覚した場合
借金が妻の名義であった場合は、夫は保証人になっていない限り返済義務はありません。借金が家族のためだったり、生活のためであったりする場合は別ですが、妻自身の贅沢品や趣味、娯楽のための借金ならば、妻自身に責任を持って払ってもらうように話し合うべきです。
ですが妻に支払い能力がなければ、借金は払う代わりに財産分与請求権の放棄をしてもらうなどの提案をして、落とし所を探りましょう。浪費妻は目先のお金で判断するという特徴があるため、このような交換条件を出すことにより、話し合いがスムーズに進むケースがあります。
自分の浪費を棚にあげ、財産分与を請求してきた場合
結婚してから、今までの収支を「見える化」することによって、妻の浪費を証明することができるかもしれません。具体的に今までの収入を計算し、浪費しなければこれだけの貯蓄ができていたはず、というシミュレーションをするのです。
例えば・・
月々30万円の収入があり、生活費が25万円に抑えていたとします。仮に結婚生活が5年だった場合、単純に考えれば300万円が残っているはずです。それよりも少なければ、特別な出費があったのか、また、それは何なのかというふうに、問い詰めることができます。
たとえ浪費の証拠を掴めなかったとしても、言い訳ができないように、問い詰めることができれば、浪費妻にプレッシャーを与えることができます。妻にやましいことがあれば、「もうこれ以上聞かれたくない」と思うでしょうし、そうなればこちらのペースで離婚協議を有利に進められる空気が出来上がります。
浪費妻とはお金を払ってでも離婚
浪費癖のある妻の方から離婚を切り出してきた場合、すでに用意周到に準備をしている可能性があります。「貯金は使い果たしました」「借金があるので払ってください」「家を売って半分ずつ分けましょう」など、とんでもない請求をしてくる可能性もあります。
反対に夫から離婚を切り出した場合も、「財産をこれだけくれたら別れてあげる」「借金は全部あなた持ち」など、信じられないようなことを言ってくる場合もあります。
ですが、一刻も早く離婚を成立させたいと思うのならば、妥協をすることにより、早くストレスから解消され、大切な自分の財産をすり減らしてゆく事態を止められるのかもしれません。
まとめ
浪費癖の酷い妻と離婚したい時の6つの心得
- 浪費癖が、ストレスからくる依存症ではないかを見極める
- 浪費癖の酷い妻にお財布は任せない
- 夫の結婚前の貯蓄などは、特有財産の主張を
- クレジットカードの家族カードはストップすべし
- 倹約家の夫と浪費家の妻。貯蓄額をシミュレーション
- 浪費妻とは、お金を払ってでも離婚した方が良い
浪費癖の強い妻と気付かずに、結婚してしまった場合は、夫婦の老後や子どもの将来に備えて計画的に蓄えをするどころではなく、家計の破産に追い込まれてしまうリスクが極めて高いと言えるでしょう。
子どもにお金がかかる時期や、家族の稼ぎ頭が失業したり病気になったり、家族の誰かが入院するなどのトラブルを抱えた時期を除き、単月で赤字になるような家計の運営は、長続きがしないのは明らかです。
それが、浪費妻の無駄遣いが理由だった場合、早く手を打たなければ、取り返しのつかないことになります。まずは、財布を握らせないようにし、それでも、借金を繰り返すようなら、離婚の選択肢を本気で考えなければなりません。