子どもがいる夫婦が離婚した場合、親権を持たなかった親は、子どもと一緒に暮らすことができなくなります。そこで、別居している親と子どもが面会する権利「面会交流権」が認められます。親権のない親と子どもの関係を良好にし、子どもの健全な成長を促すためには、どれくらいの頻度で会うのがいいのでしょうか。
子どもとの面会頻度、月2回では多すぎ?
離婚に伴い、面会交流を決める場合は、夫婦が話し合いをします。双方が協議する中で、子どもとの面会の頻度や場所などについて決めます。場合によっては、別居している親の自宅にお泊りをしたり、旅行に行ったりすることを含めた面会もありとして、決めることもあります。
面会交流で最も焦点になるのは、子どもと会う頻度や回数です。標準的なケースは、月に1回程度とされていますが、夫婦の話し合いによってケース・バイ・ケースで決めることができます。
回数や頻度にこだわらず、後に変更を求める戦略が現実的
子どもと会う回数を巡っては、親権のない親が子どもと会う機会を少しでも多く確保したいと考えた場合、話し合いではまとまらない可能性があります。
その場合は、家庭裁判所で調停を行い、それでもまとまらない場合はや審判の申立てをすることができます。話し合いがまとまらない場合の調停や審判といった手続きは、夫婦が離婚前だけれども別居生活になっている場合も活用できます。
そもそも、子どもとの面会交流に関しては、「子どもの健全な成長」を後押しするためのものであるというのが基本的なスタンスです。調停や審判においても、子どもの年齢や性格、生活環境などを考慮し、子どもに精神的な負担をかけることのないように調整が行われます。
従って、親権を持っている側が、月1度以上の面会交渉について、非協力的な態度を取っている場合は、家庭裁判所との調整で飛躍的に頻度や時間が積み上げられる可能性はそう高くありません。
それよりも、まずは月1度(6時間程度)の面会交流権を確保し、子どもとの有意義な時間の共有を積み重ねていくことが大事になります。子どもが、親権のない親と会う時間が楽しみになれば、タイミングを見て時間や頻度を増やすように交渉するほうが現実的なやり方です。
面会減らしたい!子どもの本心に耳を傾けて
面会をすることで何らかの問題が発生する場合には、面会を減らす交渉は可能です。まずは夫婦で話し合い、まとまらなければ面会交流調停となります。その際は減らしたい理由の説明が必要となります。
一回の面会の時間を何時間にすべきか
月一回程度の面会が多いとしても、一回に会う時間はどの程度に設定すべきかと言う問題があります。だいたい、昼食をはさんで6時間程度というのが一般的なようです。
子どもとの「泊まり」面会を有意義に過ごす方法
離婚に伴い、親権が相手側に渡ってしまうと、子どもとの時間を過ごす機会は定期的な面接交流だけになってしまいます。面会交流は通常、月一回程度、昼を挟んで6時間ほどのケースが多いとされています。
しかし、子どもとの心のふれあいを濃密にするには、もっと十分な時間が必要だと感じるのも無理はないでしょう。例えば、一緒に風呂に入ったり、寝たりする時間を持つ中で、子どもへの深い愛情も育っていくものです。
そういう親のために、面会交流に年数回の「泊まり」を付けるケースもあるようです。例えば、夏休みや冬休みの月一回の面会交流を泊りにするといった具合です。ただ、泊まり付きの面会交流は、親権を持つ側の親にとってハードルが高いようです。
祖父母から、泊まりの面会を求められることもあるかもしれませんが、面会交流権を持っているのは父または母のみです。子供の負担になるようであればもちろん拒否ができますが、おじいちゃんやおばあちゃんに会いたいという気持ちがあるようなら、柔軟に対応するのが良いでしょう。
まとめ
離婚した後の子供との面会頻度は?
- 月に1回程度。昼を挟んで6時間ほどのケースが多い
- 回数の話し合いがまとまらない場合、まずは家庭裁判所で調停を行う
- 面会交流に年数回の「泊まり」を付けるケースもある
- 面会交流権は、子どものための権利でもある。子どもの健全な成長のためのものというスタンスで
離婚後の子どもとの面会交流は、夫婦間でトラブルになることが多いようです。離婚を巡り、感情的な対立となっているだけに、話し合いで解決するには難しい関係性になっていることも少なくありません。
そういうケースでは、離婚するときに、弁護士などの第三者に間に入ってもらい、面会交流権についてきっちりと取り決めをしておくことです。最初は、ルールを守りながら、子どもの心をほぐしていくぐらいの気持ちで良いでしょう。面会ができる関係を長く作るよう心掛けることが大切です。