離婚後の子供との面会頻度はどのくらい?

子どもがいる夫婦が離婚した場合、親権を持たなかった親は、子どもと一緒に暮らすことができなくなります。そこで、別居している親と子どもが面会する権利「面会交流権」が認められます。親権のない親と子どもの関係を良好にし、子どもの健全な成長を促すためには、どれくらいの頻度で会うのがいいのでしょうか。

子どもとの面会頻度、月2回では多すぎ?

離婚に伴い、面会交流を決める場合は、夫婦が話し合いをします。双方が協議する中で、子どもとの面会の頻度や場所などについて決めます。場合によっては、別居している親の自宅にお泊りをしたり、旅行に行ったりすることを含めた面会もありとして、決めることもあります。

面会交流で最も焦点になるのは、子どもと会う頻度や回数です。標準的なケースは、月に1回程度とされていますが、夫婦の話し合いによってケース・バイ・ケースで決めることができます。

親権を持って、養育する立場にある親からすると、あまり頻繁に面会の機会があると、連れて行ったりするのが負担になるかも。

別居する親が、子どもと仲が良い場合は、頻繁に会いたくなるはずだね。週1回でも会いたいと思っても不思議ではない。

義務のように回数を決めてしまうと、負担になったりするかも。別居する親が子どもと仲が良くて、子どもも親と会いたがっているときは、柔軟に合わせるようにするのも方法かも。そういうことが実現するのは、離婚した夫婦がある程度の信頼関係がないと難しいわね。

そうだね。別居する親が子どもに会いたがらない場合は、頻度を巡るトラブルにはなりにくい。親同士が、「もっと会いたい」と一方が主張し、「あまり会わせたくない」と拒否するなど、子どもとの時間を取り合う形で揉めることは、子どもにとっては悪いことではないから、しっかり話し合って、調整できることが望ましいと思う。

回数や頻度にこだわらず、後に変更を求める戦略が現実的

面会交流

子どもと会う回数を巡っては、親権のない親が子どもと会う機会を少しでも多く確保したいと考えた場合、話し合いではまとまらない可能性があります。

その場合は、家庭裁判所で調停を行い、それでもまとまらない場合はや審判の申立てをすることができます。話し合いがまとまらない場合の調停や審判といった手続きは、夫婦が離婚前だけれども別居生活になっている場合も活用できます。

そもそも、子どもとの面会交流に関しては、「子どもの健全な成長」を後押しするためのものであるというのが基本的なスタンスです。調停や審判においても、子どもの年齢や性格、生活環境などを考慮し、子どもに精神的な負担をかけることのないように調整が行われます。

従って、親権を持っている側が、月1度以上の面会交渉について、非協力的な態度を取っている場合は、家庭裁判所との調整で飛躍的に頻度や時間が積み上げられる可能性はそう高くありません。

それよりも、まずは月1度(6時間程度)の面会交流権を確保し、子どもとの有意義な時間の共有を積み重ねていくことが大事になります。子どもが、親権のない親と会う時間が楽しみになれば、タイミングを見て時間や頻度を増やすように交渉するほうが現実的なやり方です。

面会減らしたい!子どもの本心に耳を傾けて

面会交流に関して一度合意してから変更を希望するケースで、逆の場合も考えられるわ。子どもに会わせたくないから、回数を減らしてほしいとか、もう会わないでもらいたいとか。

子どものことだから、面会中に嫌なことがあったり、トラブルに会ったりすると、親権を持つ側の親が過剰反応してしまうケースも考えられるし、子どもが本当に嫌がるケースもあるし、両方の可能性が考えられるね。

そういう場合は、子どもの意思を尊重するのが大事になるわね。

ただ、そう簡単にはいかないかも。まだ子どもが小さいうちは、「(別居している親に)会いたくない」と言うのは、本心かどうかを見定めるのが難しい。というのも、子どもは同居している親の顔色を見て、同調しようとするケースが多いからね。

そっか。もし、同居している親が、子どもが分かれた配偶者と面会するのを快く思っていないことを察知したら、その気持ちに合わせてしまうということね。

中高生になれば、自分の気持ちを表現するだろうけど、小学生までは難しいかもね。両方の親が、子どもの本当の気持ちを聞いてあげる心構えが必要になる。いつまでも、子どもを取り合っても仕方ないからね。

面会をすることで何らかの問題が発生する場合には、面会を減らす交渉は可能です。まずは夫婦で話し合い、まとまらなければ面会交流調停となります。その際は減らしたい理由の説明が必要となります。

一回の面会の時間を何時間にすべきか

面会交流の時間

月一回程度の面会が多いとしても、一回に会う時間はどの程度に設定すべきかと言う問題があります。だいたい、昼食をはさんで6時間程度というのが一般的なようです。

一回6時間ぐらいというのは、子どもにとってもいい感じなのかな。あまり長い時間だと、疲れてしまうから。

そうだね。日が暮れるまでに家に帰すというのが子どものためかもね。でも、もっと遊びたいと言われると、後ろ髪が引かれるかもね。

面会を繰り返す関係を長く続けることが大事だから。大きくなったら、自分で会いに来るようになるわよ。

子どもとの「泊まり」面会を有意義に過ごす方法

離婚に伴い、親権が相手側に渡ってしまうと、子どもとの時間を過ごす機会は定期的な面接交流だけになってしまいます。面会交流は通常、月一回程度、昼を挟んで6時間ほどのケースが多いとされています。

しかし、子どもとの心のふれあいを濃密にするには、もっと十分な時間が必要だと感じるのも無理はないでしょう。例えば、一緒に風呂に入ったり、寝たりする時間を持つ中で、子どもへの深い愛情も育っていくものです。

そういう親のために、面会交流に年数回の「泊まり」を付けるケースもあるようです。例えば、夏休みや冬休みの月一回の面会交流を泊りにするといった具合です。ただ、泊まり付きの面会交流は、親権を持つ側の親にとってハードルが高いようです。

子どもが小さいと不安がったりするので、最初は「泊りなし」で様子を見てもらうケースが多いらしいわ。

離婚後は、子どもの心も不安定になるからね。子どもの心が落ち着くために、別居している親も協力するべきだと思う。最初は、月一回の日帰り面会で楽しい時間を共有すればいい。

泊まり面会をスムーズに行うコツはあるのかな。

これも、子ども優先で考えることで、泊まり面会を長続きさせることができるかもね。一緒の時間を過ごしているときに、決して同居している親や家族の悪口をいったりしないこと。または、モノを買い与えたりしないことなど、親権を持つ親の気持ちを刺激することは避けたほうがいい。

同居している親は、必ず、「お泊まりはどうだった?」「なんて言ってた?」「何してもらった?」とか聞くはずだからね。

あとは、子どものことを大切に思っているという自分の気持ちを伝え続けることが大事だね。

祖父母から、泊まりの面会を求められることもあるかもしれませんが、面会交流権を持っているのは父または母のみです。子供の負担になるようであればもちろん拒否ができますが、おじいちゃんやおばあちゃんに会いたいという気持ちがあるようなら、柔軟に対応するのが良いでしょう。

まとめ

離婚した後の子供との面会頻度は?

  • 月に1回程度。昼を挟んで6時間ほどのケースが多い
  • 回数の話し合いがまとまらない場合、まずは家庭裁判所で調停を行う
  • 面会交流に年数回の「泊まり」を付けるケースもある
  • 面会交流権は、子どものための権利でもある。子どもの健全な成長のためのものというスタンスで

離婚後の子どもとの面会交流は、夫婦間でトラブルになることが多いようです。離婚を巡り、感情的な対立となっているだけに、話し合いで解決するには難しい関係性になっていることも少なくありません。

そういうケースでは、離婚するときに、弁護士などの第三者に間に入ってもらい、面会交流権についてきっちりと取り決めをしておくことです。最初は、ルールを守りながら、子どもの心をほぐしていくぐらいの気持ちで良いでしょう。面会ができる関係を長く作るよう心掛けることが大切です。