離婚の前?後?スムーズに進める手続き一覧

離婚をすると決まったら、どのように進めるのか、手続きを知っておくことが重要です。離婚届けを出す前にやらなくてはいけないこと、やっておいた方がいいものがあります。また、離婚届を出した後にも忘れずにやっておくこともあります。期限付きの手続きもあるので、しっかりと頭に入れておくことが大事です。

できるものは早め早めで済ませておくというのが基本的な考え方ですが、慎重に選択をしなければならないものもあります。

離婚前にやっておくとスムーズな手続きは?

協議離婚の場合は公正証書の作成を

夫婦の話し合いだけで成立した離婚を「協議離婚」と言います。これは弁護士を挟んで話し合いを進めた場合でも同じです。話し合って決めたことを公正証書にしておくことで、強制執行力を持ちます。

年金分割が合意分割になる場合、「年金分割のための情報通知書」を取り寄せた上で、分割の方法を夫婦で話し合い、公正証書に記載しておきましょう。

年金分割を受ける側が専業主婦(夫)(第3号被保険者)の場合は3号分割と言います。この場合、合意なく分割の手続きができるので、離婚後でOK。ただし2008年の4月より前の年金分割は全て合意分割扱いになります。

携帯電話やインターネットの名義変更は複雑で面倒

名義変更は出来るだけ離婚前にした方が良いでしょう。料金の引き落とし口座の変更なども必要です。公共料金の名義変更は簡単ですが、携帯電話、インターネットプロパイダ、固定電話などの名義変更は面倒な手続きが必要になりますので、離婚前にやっておいた方が良いでしょう。

夫名義の携帯電話を私と子供が使用していました。名義変更には夫と一緒に店に行くか、委任状が必要とのことでした。離婚前に弁護士を通じて委任状を手に入れたので、すんなりと名義変更と引き落とし口座の変更をすることができました。

離婚をした後だと「他人」になるため、一度解約した後に新規契約をすることになったり、そもそも解約自体が契約者本人でないとできない可能性もあります。

私が現住所に住み続け、夫が引っ越すことになったため、インターネットプロバイダーの名義変更を行いました。名義変更は二親等以内の親族に限るということでしたので、離婚後では解約することになっていたと思います。

解約できない保険の受け取り人など

  1. 現時点で解約をすると損をしてしまうから
  2. 子どもの学資保険は続けたいと思っているから
このように、保険の種類や時期によって解約できない保険は、受取人や契約者の変更をしておいた方が良いでしょう。例えば、学資保険を夫名義にしたまま満期を迎えた時、受け取った夫が相談もなしに、生活費に使ってしまう可能性も否定できません。

自動車の名義変更

車の名義変更

例えば夫名義の車を妻が財産分与としてもらう時、名義変更の手続きが必要です。手続きに必要な書類には印鑑証明や実印の入った譲渡証明書があります。(軽自動車の場合認印でOK)また、任意の自動車保険も家族間であれば等級を引き継ぐことができます。

保険も自動車の名義変更と同様に、離婚前(家族であるうち)に行っておいたほうが良いですが、ローンが残っている場合は、名義変更は難しくなるということも頭にいれておきましょう。

車の名義変更に必要な書類

 元の所有者新しい所有者
普通自動車車検証、印鑑証明、譲渡証明書(実印)、委任状(実印)車庫証明、実印、印鑑証明
軽自動車車検証、申請依頼書(認印)認印、住民証、車庫証明(地域による)

離婚届には保証人がいる?

離婚届の記入は鉛筆や消えるボールペンは不可です。提出するときは本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)と印鑑を持参しましょう。

保証人が必要なのは協議離婚のみ

保証人は離婚の事実を知っている人で、20歳以上であれば誰でもなることができます。保証人は2人必要ですが、保証人になったからといって、なにかリスクが発生するわけではありませんので安心してお願いしましょう。

保証人を記載する欄には署名・捺印、それぞれの本籍を書く箇所もあります。本籍は現住所と違う場合がありますので、調べておいてもらいましょう。本籍地の入った住民票を入手するのが一般的な方法です。

調停や裁判で離婚が成立したら10日以内に離婚届を

調停が成立した日、裁判で判決が出た日が離婚をした日になります。申し立てをした人が10日以内に離婚届を提出します。協議離婚と違い、保証人は必要ありません。その代わりに確定証明書や謄本などが必要です。

離婚の種類提出する日必要なもの
協議離婚話し合いがまとまり、離婚の同意がされたら離婚届
*保証人が2人必要(20歳以上)
調停離婚調停が成立してから10以内に、申し立てた人が離婚届を提出する離婚届、調停調書の藤本
審判離婚審判確定から10日以内に、申し立てた人が離婚届を提出する離婚届、審判書の謄本、確定証明書
裁判離婚判決が確定してから10日以内に原告(裁判を起こした人)が離婚届けを提出する離婚届、判決書の藤本、確定証明書

離婚後の戸籍と姓の選択ができる

離婚届けの「婚姻前の氏を名乗る者の本籍」の欄で、離婚後の戸籍をどうするか選択することができます。離婚した後も婚姻中の姓を名乗りたい場合は、この欄には何も記入せず、別に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する必要があります。

一度決めた姓を後から変更するのは大変なので、慎重に選んで決めましょう。「離婚の際に称していた氏を称する届」の提出期限は離婚から3ヶ月以内です。

婚姻前の氏に戻る者の本籍

祖父母、子、孫は一つの戸籍には入ることができないので注意しましょう。(三代戸籍禁止の原則)例えば「もとの戸籍にもどる」とし、親の戸籍に戻った場合、その戸籍に子供を入れることはできません。

離婚後の手続きはスピーディーに

離婚後の手続き

住所や氏名の変更手続きや名義変更、引き落とし口座の変更など

住民票異動届、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、通知カード、印鑑登録、公共料金、郵便の転送サービス、クレジットカード、保険、預金口座、職場への報告など。

戸籍謄本や住民票は、各種変更手続きに必要なことが多いので、複数枚入手しておくと良いでしょう。

子供の戸籍の手続き

筆頭者が父親の戸籍から、子供の姓を変えずに、母親と子供だけの新しい戸籍を作る場合の例
離婚後の戸籍

子供の学校や、ひとり親支援の申請

児童扶養手当、母子寡婦福祉貸付金、医療費助成などのひとり親支援や就業支援制度の申請。この他にも各自治体によっては支援制度があるかもしれません。お住いの自治体の支援制度を調べておくと安心です。

学校への連絡、転校手続き、保育施設の入所手続き、子供の戸籍の移動など。子供の姓も変わったのであれば、子供名義のもの(銀行口座の名前など)の変更も忘れずにやりましょう。

年金と健康保険の手続き

専業主婦(夫)が配偶者の扶養になっていた場合は、就職して勤務先の健康保険に入るか、就職しない場合は国民健康保険に加入する手続きをします。国民健康保険に加入する場合は「資格損失証明書」が必要です。

配偶者の扶養になっていた場合の年金手続きは、就職するなら第1号被保険者へ変更、すぐに就職しない場合は第2号被保険者への変更手続きが必要です。それぞれ14日以内に手続きをします。

 健康保険年金
すぐに就職する勤務先の社会保険に加入する。第2号被保険者に変更。勤務先で手続きしてもらう。
すぐに就職しない国民健康保険に加入する。資格損失証明書が必要。第1号被保険者に変更。市役所など、お住いの役所で手続き。

会社員である人が離婚をした場合は、住所や姓の変更、子供の扶養を夫から妻に(妻から夫に)変更するなどの手続き、自営業などで国民年金、国民健康保険に加入していた人が離婚する場合は、世帯変更の手続きが必要です。

年金分割の手続きは、離婚日の翌日から2年以内です。

まとめ

離婚する前の手続き

  • 公正証書
  • 携帯電話やインターネットの名義変更
  • 解約できない保険の受取人
  • 車の名義変更
離婚届について
  • 協議離婚では保証人が2人必要(本籍記載)
  • 調停や裁判が終わったら10日以内に離婚届を提出する
  • 離婚後の戸籍と姓の選択は慎重に
離婚後の手続き
  • 姓や住所が変わったら、もれなく変更を
  • 戸籍の手続き
  • 子供の学校やひとり親支援の申請
  • 健康保険と年金の変更

離婚の手続きは結婚の時よりも数十倍大変です。手続きは夫婦が協力して行わないとできないものもあり、それがストレスになることもあるかもしれません。しかし、いつまでも引きずってしまうよりも、ゴールに向けて一歩一歩こなしていく気持ちが大事です。

また、相手と直接やりとりするのが苦痛に感じることもあるでしょう。大切な手続きが抜けることのないようにという面でも、弁護士のサポートを受けると安心です。