夫婦が家庭内別居状態に陥った家庭は、会話がなくなり、食事は別々、誕生日などの家族のイベントや、子供の学校行事などは、夫か妻のどちらか一方が不参加になります。このような状況が長く続くと、
- 「常に親の顔色を伺うようになる」
- 「周りの家庭と比べてしまい、劣等感を持つようになる」
まず、夫婦で家庭内別居を解消する努力をすることが大事ですが、それが無理だと判断すれば、離婚も選択肢です。離婚によって子供に背負わせる苦労よりも、家庭内別居によって家の中にもたらされる何とも言えない重苦しい雰囲気のほうが、子供に与える心理的なストレスが深刻になるケースもあります。
家庭内別居の特徴。食事は別、会話はなし
子供への影響を考える前に、まず家庭内別居の特徴を考えてみましょう。
- 会話がない
夫婦の会話はほとんどなく、あったとしても業務連絡的な会話だけです。それも口頭で行うことができなければ、ラインやメールなどで、短い文章を送るだけ。それすらもできない夫婦は、子供が通訳の役割をやらざるを得ない状況になります。 - 食事は別
会話がないため、一緒に食事をするのが苦痛になり、結果として食卓が別になります。子供と母親は一緒にいるケースが多いため、夫だけが1人で食事をするパターンが多くなります。 - 週末は別行動
家庭内別居中の夫婦が、週末に同じ時間を共有することはないでしょう。なるべく顔を合わさないで済むように、どちらかが部屋に引きこもったり、外出したりして苦痛な時間を回避します。 - 子供のためのイベントは、夫か妻のどちらかが不参加
誕生日やクリスマス、運動会や入学式、卒業式などの学校行事は夫か妻のどちらかが不参加となるケースが多いでしょう。仮面夫婦のうちは、このような時だけ夫婦を演じることができますが、家庭内別居になるとそうはいきません。
家庭内別居中で会話がないと・・
板挟みになる子供
どうしても伝えなければいけないことを、子供に「お父さんに言っておいて」「お母さんに伝えて」となってしまい、本当にかわいそうなことをしたと思っています。
家族で食卓を囲めない!子供の誕生日はどうする?
キッチンで1人立ち食い
離婚する直前には、キッチンに置かれている食事を、1人で立ち食いするようになっていました。
子供の誕生日は夫抜きで外食
ですので、誕生日は外食。夫抜きのお祝いです。お祝いをしながらも、誕生日が来るたびに、何か悶々とした気持ちになったのを覚えています。決して楽しい誕生日ではなかった。それは多分子供も同じだったと思います。
子供の行事に夫婦で参加できない
入学式も卒業式も妻だけが参加
家庭内別居夫婦の休日の過ごし方は?
子供の部活動をきっかけに、仮面夫婦から家庭内別居に変化
反対に夫が家にいる時は、無理やり予定を作って外出するなどしているうちに、会話もほとんどなくなり、家庭内別居の状態になっていきました。
「いつまで続くの?」子供の不安な気持ち
以上のように、両親が家庭内別居に陥ると、家の中はよそよそしくなり、異常な空気に包まれることは容易に想像ができます。そして子供は、それを敏感に感じ取ります。どうしてこのような状況にあるのかわからない子供は、いつまで続くのかという漠然とした不安を持ち続けるのです。
夫婦関係がうまくいかないストレスは、もちろん当人同士にもありますが、子供の立場になって気持ちを考えてあげることが必要です。
夫や妻への不満を子供に八つ当たり
家庭内別居をしていると、子供の前で喧嘩をすることはなくなる代わりに、夫や妻への不満がどんどん溜まっていき、そのストレスのはけ口に子供がなってしまうケースがあります。ついイライラして子供に八つ当たりをすることは避けなくてはいけません。
両親の悪口を聞かされる子供の気持ち
親が子供を自分の味方につけたくて、相手の悪口を子供に言ったらどうでしょう。「あなたのそういうところお父さんにそっくりね」なんて言葉が出たら最悪です。
マイナスオーラをまとった情緒不安定な両親
八つ当たりや悪口を我慢できたとしても、心の中がすさんでいると、子供は敏感に感じ取ります。ドアの閉め方、足音、無意識に出るため息はマイナスオーラを放ち、子供の心を落ち込ませます。
家庭内別居が与える子供への影響
家庭内別居の状況から、子供がどのように感じるかが理解できたら、それがどのような悪影響を及ぼすのかも考えてみましょう。ここでも「自分だったら」という、相手の立場にたった考え方をすることで、明確になってきます。
- 親の顔色を伺うようになる
- 周りと比べてしまい、劣等感が芽生えてしまう
- 両親の不仲は自分のせいだと勘違いをする
- 集中力がなくなる
- いじめや動物虐待など、家庭のストレスを外で発散するようになる
- 家出や自傷行為
- 睡眠不足による体調不良
- 鬱など、心の病気になる
家庭内別居なのに「離婚しない」は本当に子供のため?
家庭内別居を長く続けていくことは、子供のためにはもちろん、ご自身の心のためにも悪影響ばかりでしょう。もしも少しでもやり直せる可能性があるのなら、夫婦で話し合う時間を作りましょう。まずは1人でカウンセラーなどに相談するという方法もあります。
また、どうしても修復する可能性がない場合は、離婚ということも考えるべきでしょう。子供のために離婚をしない。という考えもあるかもしれませんが、家庭内別居が子供に与える影響も深刻であることを忘れてはいけません。
離婚後の養育費が心配なら
離婚ができない理由が経済的なものだとしたら、財産分与やひとり親支援のことを調べてみるという行動も必要です。もしかしたらどこかに突破口が見つかるかもしれません。
養育費の支払いは親の義務であり、子供の権利ですが、実際に養育費をきちんと受け取れている人は4人に1人です。離婚する時にきちんと取り決めをしたとしても途中で滞ってしまうケースが多いのです。
養育費が突然振り込まれなくなった時に、立て替えてくれたり、相手に催促をしてくれたりするサービスがあるのも知っておきましょう。
非公開: 養育費が振り込まれない!立て替えサービスもしてくれる養育費サポートを徹底分析
まとめ
一般的に仮面夫婦から家庭内別居状態に陥るケースが多いようです。仮面夫婦と家庭内別居の大きな違いは、仮面夫婦の場合、子供の前や、家の外では円満な夫婦を装いますが、家庭内別居ではそれがないことです。それによって子供は両親の険悪な雰囲気を目の当たりにしてしまうため、心に大きな影響を及ぼすと言えるでしょう。
子供のために離婚をしたい気持ちを我慢していると思っていても、子供のためになっていないこともあるかもしれません。何よりご自身の心の健康のために、どのようにすべきかを考えてみてはいかがでしょうか。