結婚すると態度が変わるという夫は珍しくありません。伴侶として選ぶパートナーが、どんな人間であるかを見抜くのも難しいのに、ましてや夫の親である義両親の正体を見抜くのはたいへんです。とくに、女同士が向かい合う嫁姑問題は、そう簡単に解決できない永遠の課題です。
「嫁が嫌い」姑の本音が透けて見える瞬間
お腹を痛めて産んで、手塩にかけて育てた息子を、嫁に取られてしまった気持ちになるのか、嫁に対するイビリは、姑の行動の節々に見え隠れします。
結婚当初は「まさか、そこまではやらないはず」と思っていても、意地悪ばあさん的な行動がエスカレートしていくと、「やっぱり、私のことが嫌いなんだわ」と、姑の本音と向き合わずにはいられません。
息子溺愛の姑からのいじめに合うAさん
嫁から贈られたカーネーション遺棄
夫は長男で、40過ぎての結婚でした。夫の父親は早くに他界し、その後は母親と二人暮らしでした。結婚は姑との同居生活が条件になっていましたが、初対面の印象で優しそうに見えたので、「まあ、いいか」と軽い気持ちで同居を始めました。
結婚して最初の母の日に、感謝の気持ちを込めてカーネーションの花束を贈りました。自分の息子からのプレゼントだと誤解していた姑は、最初は喜んでいたのですが、私が贈ったものだと知って、急に不機嫌になったのです。
翌朝、ゴミの収集に出すために、キッチンのゴミ箱をのぞくと、なんと私が贈ったカーネーションの花束が切り刻まれ、捨てられていました。かわいそうなカーネーション。何の罪もないのに、切り刻まれて捨てられるなんて。
姑の本音を知ってしまい、それからというもの、姑の行動の一挙手一投足が自分への敵意の表れに思えてきます。もう限界です。
いわれのない言いがかりを受けたBさん
10年後にミシン返せと理不尽な要求
姑とはスープの冷めない距離に住んでいます。娘が幼稚園に入園した時、上履き入れなどの持ち物に、名前へ刺しゅうをするために、姑からコンピューター機能付きのミシンを借りたのです。
娘のものを作ってあげるという理由を聞いて、姑も喜んで貸してくれたと思っていました。その後、出来上がった刺しゅうの作品と娘の写真を姑に送ったりしていました。1年ぐらい使った後、ミシンは姑に返しました。姑は「必要になったらいつでも使ってね」と言ってくれていました。
ところが、10年ぐらいたってから、「あのミシン、どうなったの」と夫を通じて、返却してほしいとの要求が来たのです。「1年ほど使わせていただいて、お返ししました」と説明しても、納得しない様子。
しばらくして、姑自身が大型ごみに出してしまったことに気付いたようですが、「疑って申し訳ない」のひと言もありません。高価なミシンだったのかもしれないけど、こんな目に会うなら、借りなきゃよかったと後悔です。
「女の城は渡さない」意地悪攻撃
「男子厨房に入らず」との格言は昔の話。今は、共働きの夫婦が増え、家事分担も当たり前になってきました。しかし、姑と同居している家庭では、夫に家事を手伝わせるのもひと苦労です。「女は家を守るもの」そんな古い考え方で凝り固まった姑を説得するのは至難の業です。
ネチネチ攻撃にうんざりのCさん
「台所に女は二人いらない」そう言ったくせに
夫は姉と弟の3人兄弟で、3人とも家庭を持っています。父親は学生時代に他界していて、姑は3家族の家庭で、順番に同居するような生活でした。同居が夫の順番になったとき、私に向かってこう言い放ったのです。
「台所に女2人はいらないわね」
最初は、言葉の意味が分かりませんでした。しかし、姑は自分が家事をするので、嫁である私にはパートでもしたらどうかという気持ちだったようです。仕方ないので、私はスーパーのレジ打ちとしてパート勤務を始めたのです。
しかし、姑はほとんど台所に立つことをしませんでした。私は夕方、パートから帰ると、子供たちがお腹を空かせているので、夕食の支度をします。でも、帰りが遅くなることもあって、夕食が手抜きになることもありました。
そうした時、姑はいちいち小言を言います。「出来合いのものばかりだと、子供は大きくならないわね。◯◯(夫の名)も、仕事で疲れているのにかわいそう」。毎日、ネチネチと言われると、ふつふつと怒りがわいてきました。
ある日、サラダ用にキュウリを切ろうと、水洗いしているときに、姑に「キュウリは青臭さを取るために、塩もみするものよ」と言われ、キレてしまいました。「わかってるわよ、そんなこと。時間がないから、しょうがないでしょ!台所に女が2人いらないのだったら、自分がやれば?」と思いましたが、口に出して言えませんでした。
キュウリをシンクに投げつけて、家を飛び出すのがやっとです。その時、ご飯を待っている子供たちは目を丸くして、ポカンと口を開けていました。
「孫はまだ?」産む機械扱い
デリカシーのない姑にうんざりのDさん
猫かわいがりしたいだけ
結婚五年目になるのに、なかなか子どもが授かりません。私は仕事を持っていて、今は充実していて、子育てをする気にはなりません。夫は「子供はいなくてもいいよ」と言ってくれるのですが、夫の母親は違います。「一度、医者に診てもらったら」としつこく言います。
夫の姉夫婦には子どもが2人います。姑は孫が3歳くらいまでの小さい頃は、可愛がったりするのですが、小学生になると、ほとんど会いたがりません。本当は、姑は孫が欲しいのではなくて、ペットのようにかわいがりたいだけじゃないかと疑ってしまいます。
ある時、姑はこう言いました。「どうして子供ができないのかね。もっと、女の魅力を磨いたらどう?」。怒りと言うか、呆れと言うか…。姑があきらめるまで、話すたびにイヤミを言われるのではないのかと不安です。
嫁をディスって、戦を有利に
息子が嫁の味方に回るなど、嫁姑戦争の戦況が悪くなってしまうと、嫁の評判を落とす戦略を取る姑もいます。息子の気持ちを、自分に向けさせるために、どんな手でも使うという姑もいます。
意地悪そのものの姑に嫌気のEさん
「男がいる」と言いふらし
最初は姑の妄想だと思っていました。「嫁が男と歩いているのを見た」と自分の息子に言うのです。姑がそんなことを言う理由はひとつです。夫の気持ちが、嫁である私に向いているのが気に入らないのです。夫の私に対する信頼を落として、自分に向けようという姑息なやり方です。
でも、息子に「そんなこと言ってはいけない」と叱られると、今度は近所の知り合いとかに、「嫁には男がいる」と言いふらすようになりました。変な噂になるかと心配でたまりません。
まとめ
嫁姑の争いは昔から続いていて、一向になくなる気配はありません。なかには、仲の良い嫁姑もいるでしょうが、まれだと言えます。どうすれば、嫁姑の関係が上手くいくかというと、絶対的な正解を探すのは難しいのが現状です。
女性の社会進出により、女性が経済力を持つようになると、義両親との同居をしなくても、経済的な余裕を持つこともできるようになってきました。嫁姑の距離を取ることが、争いを避ける効果的な方法です。しかし、経済力を持つのは都会に住む女性が中心で、田舎では、義両親との同居は大きな選択肢の一つです。
姑との関係がこじれ、結婚生活を続け難い状態に追い込まれた場合、嫁姑問題を理由に離婚を申し立てる人も少なくありません。夫が仲裁役として役に立たないと判断すれば、離婚に向けて準備を進めるのも解決方法の一つです。