追跡14日間!旦那にGPSを忍ばせ、自力で浮気調査

「夫や妻が不倫しているのではないか」という疑惑が持ち上がります。「(不倫相手と)別れてもらいたい」と考えるか、「いっそ離婚してしまいたい」と考えるかは別にして、まずやるべきことは、事実関係を確認することです。

本当に不倫相手が存在するかどうかの「初動捜査」ため、GPSを活用した女性の執念の追跡劇を振り返ります。

3度目の正直「離婚を決意」

夫の浮気は今回が初めてではありません。私が確認しているだけでも、これまでに女性の影は2つ。つまり、2度の不適切な関係がありました。そして、3度目の不倫を疑い始めた時、夫の浮気癖は生涯治らないと確信したのです。私は何の迷いもなく、離婚へ向けて準備を始めることを決意しました。

まず、手をつけたのは、女の影をあぶりだすことです。夫は住宅関係の営業マンをしており、昼間、クルマで移動します。夫の行動を観察した限り、夜間に不審な動きがほとんどないため、「昼間のビジネスタイムに女と逢引きを重ねているはず」と疑いました。

私の場合、もう夫とやり直したい気持ちは残っていませんでした。何度も女性関係を繰り返す女癖の悪い夫に対し、娘も嫌悪感を持ち始めていたからです。3度目の不倫は、「離婚への決定的な切り札になる」との強い思いで、その証拠をつかむことに集中しようと決めていました。

探偵に依頼の場合も、GPSで当たりをつける

夫の不倫に疑いを持った時点で、私立探偵に浮気調査を依頼することも考えました。しかし、私立探偵への依頼は費用が高くつきます。まずは、「夫がいつ、どこで女と会うのか」の当たりを付けることが先決でした。

クルマで移動する夫の行動を調べるのは、GPSをクルマに付けるのが効果的な方法だと考えました。まずはGPS選びです。ネットで調べたり、電気街の店に行ったりして、適切なGPSを探しました。

そこで聞いた話では、GPSには「リアルタイム型」と「ロガー型」の2種類があり、浮気調査にはリアルタイム型を選んだほうが良いということです。ロガー型GPSは居場所の履歴が記録される仕組みなので、リアルタイムで居場所を把握することができません。これに対し、リアルタイム型GPSは、本体自体から電波を発信しており、現在位置をパソコンやスマートフォンなどの携帯端末から確認することが可能です。

夫に浮気の事実を認めさせるには、肉体関係を裏付けるだけの証拠能力が必要です。ラブホテルにいた履歴を突き付けたところで、シラを切られてしまうのがオチです。決定的な逢瀬の現場を「激写」するには、リアルタイムの情報が必要でした。

また、リアルタイム型GPSの中にも、調査対象者のカバンなどに忍ばせるタイプと、クルマのバンパーの下部付近などに磁石で装着するタイプがあります。夫の場合は、クルマで移動し、女性と会っている可能性が高かったので、クルマに装着するタイプを選択しました。

夫の誕生日に照準、1週間レンタル

GPSは1週間単位でレンタルできます。料金は1週間で2万円を切り、探偵によるGPSを使った調査に比べ、5分の1程度で済みます。どちらの調査でも、必ず、成果があるという保証はありません。まずは、1週間レンタルを試してみることにしました。

なるべく、夫が不倫相手と会う可能性の高い日を選ぶ必要がありました。夫の誕生日を挟んだ1週間が確率が高そうです。ネットで申し込みました。郵送でも届けてくれるようですが、夫に感づかれないように、念には念を入れて、店に取りに出かけました。

GPSはたばこの箱と同じくらいのサイズで、外からでも自動車に装着できるように、マグネットが付いています。夫が自家用車で帰宅した夜、寝静まったのを確認して、駐車場に向かい、バンパーの裏あたりに張り付けました。

まさかの社有車でデート、チャンスを逃す

スマートフォンに位置情報を把握するための設定を済ませ、翌朝を迎えました。夫が自家用車で出勤すると、アプリを立ち上げます。すると、夫の動きが手に取るようにわかるのです。どこでランチを食べたのか、その日の仕事の現場はどこなのか、どこで仕事をさぼっているのかまで、すべてが丸裸です。

そして、夫の誕生日の当日を迎えました。デート現場を激写するために、一眼レフのカメラと望遠レンズを用意しました。いつでも出動できるように、身支度を済ませて、スマホを片手に臨戦態勢を整えます。

しかし、ここでまさかの展開です。会社に到着した後、夫に動きがないのです。というか、GPSが会社の駐車場に止まったままです。夫にオフィス内での勤務しかない日はほぼありません。偽名を使って、会社に電話をしてみると、どうも夫は、その日に限って会社のクルマで営業まわりに出かけたようでした。

夫の自家用車にプレゼントの包装紙発見

その日も夕方なって、夫はいつものように帰宅しました。夫の不審行動を突き止めることはできませんでしたが、何もなかったとは到底信じられませんでした。夫が寝静まったのを確認し、上着のポケットから車のキーを抜き出し、車内を捜索したのです。

すると、アパレルショップのブランド名が入った包装紙がみつかりました。さらに、ゴミ袋の中から、ラブホテルと思われるホテル名と部屋番号が印字された紙切れも出てきました。この日に何かがあったのは、疑いようのない事実と思わざるを得ませんでした。

私は、夫の自家用車に入り込めたチャンスを無駄にしないように、カーナビの履歴を表示し、スマートフォンのカメラで撮影しました。そして、頻繁に使うカーナビの履歴の場所をいくつかピックアップしました。これらの住所のうちのどれかが、不倫相手との逢瀬の場所か、住所か、待ち合わせ場所の可能性が高いと考えたのです。

誕生日という絶好のチャンスは逃しましたが、不倫疑惑は間違いなく事実であるとの確信を得ました。GPSのレンタル期間をもう一週間延長することに決めました。

現場を訪れ、疑惑の場所を絞り込む

レンタルの延長手続きを済ませました。GPS端末は充電池で動きます。30日くらいは充電は持つはずなので、GPS端末をつけたままにしました。

再び、夫の行動をスマホのモニターでチェックする日々です。夫のクルマが止まる場所と、カーナビ履歴に会った場所を突き合わせていきます。仕事関係と思われる場所をつぶしていくと、疑惑の場所は数カ所に絞られました。

この時点で、探偵事務所に依頼すれば、かなり高い確率で現場の激写に成功できるはずでした。しかし、いったん乗りかけた船です。ここまできたら、何としても自分の力で女の正体を突き止めたいという欲求にかられたのです。

疑惑の現場に訪れて、その可能性をさらに絞り込みました。ついには、その場所が一か所になったのです。しかしここで問題が浮上します。この場所がそうであったとしても、待ち合わせ場所のなか、デートの場所なのか、住所なのかが分かりません。

夫のスマホを捜索、女の名前判明

夫がクルマで行動している以上、不倫相手の家の近くまで迎えに行っている可能性は高そうでした。もし、不倫相手の苗字が分かれば、図書館にある住宅地図でその苗字の家を探せば、不倫相手の家をあぶりだせる可能性は高いはずです。

しかし、車内捜索でみつかったプレゼントの包み紙にも、彼女の名前はありません。リスクを冒して、夫がやり取りしているスマホをのぞくしかありませんでした。

夫が風呂に入るスキを見て、スマホの画面を開けてみました。幸運なことに、生体認証も暗証番号のロックもありません。さすがに、無料通話アプリにはロックがかかっていましたが、通話履歴とショートメールは見ることができました。そこで、彼女の苗字が分かったのです。

GPSをレンタルしてからちょうど14日目。住宅地図で突き合わせると、彼女の自宅の住所はわかりました。孤独で辛い調査でしたが、これで、有利に離婚手続きを進めることができると確信しました。その翌日、役場に離婚届をもらいに行ったのです。