何かを決断するとき、プラスの面もあればマイナスの面もあります。この二つのことをひっくるめて自分で決めなければいけません。結婚というのは人生においてとても大きな決断ですね。
「恋は盲目」という言葉がある通り、恋人同士で付き合っている時は、相手のいいところしか見えなくなり、結婚生活を共にするには致命的な欠点を見逃してしまうことがあります。
恋愛相手から、人生のパートナーに発展する前に、結婚相手としてふさわしい人なのか、幸せな結婚生活を送ることができるのかを考え、自分の意思で決めるための参考にしていただければ幸いです。
第三者への対応で「本性」が見える
誰でも、「この人に嫌われたくない」「この人に好かれたい」という気持ちがあれば、良い顔をするものです。だからこれから結婚をしようとする人に対して、良い顔をするのは当たり前のことです。
だから、恋愛相手の本当の「顔」は、その場限りでもう会わない人や、関係のない第三者などへの対応の時にひょっこりと現れます。たとえばレストランで食事をしている時、オーダーしたものがなかなかテーブルに運ばれず、接客の人の態度が行き届いていなかったとき、あなたの恋愛相手はどんな顔をするでしょうか。
すぐにイライラしたり、接客の人を怒鳴ったり、しつこく文句を言い続けるような人は要注意です。もちろん、接客の店員に対し、注文の品が来ない事実を告げて、急ぐようにお願いすることは何も悪いことではありません。しかし、そのコミュニケーションの方法で、相手の本性が見えてきます。
言葉遣いが粗野だったり、必要以上に高圧的だったり、上から目線で相手を見下したりする人は、結婚したとしても、将来、自分に対して、そういう態度を取る可能性が高いと言えます。
「忙しそうだからもう少し待ってあげよう」とか、「忘れているようだったら声をかけてみよう」とか、そんな風に考えられる人は結婚してから、あなたにそんな風に接してくれるでしょう。
DVやモラハラ加害者の見抜き方
「女性はこうあるべき」「男性はこうあるべき」「専業主婦だから」「日本人はこうだ」など、自分の価値観を前面に押し出し、何事に対しても決めつけたような話し方をする人と、理性的にコミュニケーションをするのは難しいことです。
こういうタイプの人は、考え方に柔軟性がなく、結婚してから相手を自分の考えで縛り付ける可能性があるかもしれません。相手がそのようなタイプかどうかを確認するには、一度、疑問を投げかけてみるのも方法です。
例えば、「専業主婦は家事を一手に引き受けるべきだ」と言った時、「本当にそうかな?」と返事してみることです。相手の返答が、もし高圧的に否定したり、何が何でもあなたの考えを改めようとするならばならば、結婚してからも、一方的にあなたを攻撃し、時には力でねじ伏せようとする可能性があると考えられます。
逆に、「一般的にこういう傾向にあるけれど、この場合は、もしかしたら違うかもしれないね」と言える人は、視野が広く、柔軟性のある考え方ができる人です。将来、結婚した後、夫婦の意見が食い違った時にも、冷静に話し合い、歩み寄ることのできる人です。
SNS上でのやりとりでも、本当の姿が見える時があります。他人に対しての誹謗中傷をしている人や、ある一定の人に対して否定的なコメントを繰り返している人には要注意。「他人が苦しむ姿を見るのが好き」という種類の人間が存在するのです。
モラハラやDV(ドメスティックバイオレンス)加害者は、人が苦しむ姿を見ると満足し、相手が落ち込んだ後に急に優しくしたりして心を支配し、逃げられなくする傾向があります。そんな人と結婚したら、自分だけでなく、生まれて来る子どもも不幸になるでしょう。
いい人のふりをして近づき、知らないところで、気づかれないように攻撃する人もいます。本性を隠しながら、支配する相手に近寄る、「カバードアグレッション(隠れた攻撃性)」は厄介です。こうした人の本性を見破るには、わざと反論してみて、相手が表面的に怒り出さないにしても、拗ねたり、しつこく考え方を変えるように迫ったりといった細かい反応を見逃さないことが重要です。何かおかしいと感じたら、冷静に見つめ直して欲しいと思います。
車の運転で豹変するタイプも要注意
ハンドルを握ると人格が変わる。こんな言葉があるように、車の運転中にも本性が見える時があります。煽り運転なんてしたら、完全にアウト。ちょっとしたことでイライラして、舌打ちをしたり、スピードを出したりするのもアウトです。
必要以上にクラクションを鳴らしたり、追い越しされてイラっとしたり、譲ってあげたのに挨拶がないなど、沸点の低さや懐の狭さが垣間見られることがあります。大事なあなたを助手席に乗せているときに、こんな言動を見せる人は視野が狭く、周りの人を危険に晒してしまうかも。
困った時に逃げたり、自分ファーストの人
結婚して夫婦になると、楽しいことや嬉しいこともありますが、トラブルや困りごとも少なくありません。「楽しいことは共有できるけど、辛いことに立ち向かうのは嫌だ」と言うタイプの人と一緒に居るのは大変です。本当に困った時に頼りになるかどうかは、とっても大切なチェックポイントです。
たとえば、旅行を予定していた日の朝に、あなたが高熱を出したとします。相手はあなたの体調を本気で心配してくれるでしょうか?旅行のキャンセル料のことを気にするでしょうか?せっかくの旅行が台無しになったと怒るでしょうか?
相手のことを気にかけることができず、自分の気持ちばかりを優先する「自分ファースト」の人は、なかなか自分でその問題点に気付くことができません。自分が傷ついたことばかりに気を取られ、「相手を傷つけている」ことに気付けないのです。
子育てや近所付き合い、仕事のトラブルや親の介護など。結婚生活には壁がたくさんあります。何かトラブルがあった時、弱っているときに助け合えるか?逃げないか?向き合えるか?あなたと私、ではなく、「私たち」と考えられるかどうかを見極めましょう。
義両親との関係は極めて難しい。せめてマザコンでないことが第一条件
両親と仲が良いのはいいのですが、マザコンの息子や、母に依存している娘などと結婚生活を送ることは困難です。ただでさえ、義両親と関係を築くのは難しいことで、昔から嫁VS姑や、婿VS舅など、義両親のバトルは当たり前のように起こっています。どんなに仲の良い夫婦でも、義両親とのトラブルが離婚原因とるケースも少なくありません。
ただ、マザコンを見極めるのは非常に難しいことです。なぜなら、「母親を大切にする人=マザコン」ではなく、例えば、自分の親も大切にできない人が、結婚相手を大切できるとは考えにくいからです。
マザコンを見極めるには、結婚相手の人間性を見抜くことです。マザコンと呼ばれる人は、大事なことを自分で決める決断力や、困難に立ち向かう行動力に欠けています。それは、何でも母親に頼ってきた人のことをマザコンと呼ぶからです。母娘の共依存も同じ構図です。「自立した個」がない人は、一人前の大人ではなく、結婚してもうまくいきません。
依存症気質の人は何かに溺れやすい
依存気質のある人も要注意。何かに依存している人は、自立ができていない人が多いです。結婚は自立した大人同士がするものです。どちら一方が何かに依存するタイプの人なら、片方に負担がかかりますし、依存気質の2人が結婚したら共倒れです。
実家暮らしが長いのに貯金を持っていなかったら、両親に依存していた可能性が高いです。また、理由もないのに「仕事をやめたいから結婚する」なんて感じであれば、完全に依存です。
タバコやお酒を好んで口にする人も多いですが、それが嗜好の範囲なのかを見極めることは必要です。パチンコや競馬などのギャンブルも、依存性が高いので危険です。最近ではゲーム依存も問題になっています。
まとめ
この人と結婚しよう。そう決めたはずなのに、何か違う気がする。デートするたびに不安になったり嫌な気持ちになったりする。そんな直感が実は正しかったりします。そんな時は冷静になって相手を見つめる時間が必要です。相手の言葉や行動、ふとした時の仕草などをよく観察してください。
履歴書に書いていないことは、何気ない普段の行動に出ます。もちろん仕事で忙しかったり、疲れていたりした場合は、よくない言動をすることはあります。人間だから。
ただ、それがいつも繰り返されるようであれば、冷静になって考え直すことも必要です。長い結婚生活を共に過ごせるかどうか、年を重ねても隣にいたい人だと思えるかどうかを見極めて、幸せな結婚ができますように。